現在の大学入試である「センター試験」は、1979年から始まった「共通一次試験」を基礎とし、改良を重ねたてきたものです。それによってマークシート式の試験が普及しました。2020年度から「センター試験」が廃止され、新しい時代に対応した「共通テスト」が先行実施されることになっています。

これまでも、小、中、高の勉強内容は大学入試制度の変化に敏感に反応してきました。大学が求める学生像、社会が求める人間像が、ここにきて大きく変化しました。「センター試験」の方式では記述能力、思考力、表現力をチェックすることはできません。端的に言えば、「センター試験」はこれらの能力のない生徒の皆さんを育てて来たと云う事がいえます。

広島県、高知県、滋賀県の県立入試においては、記述式を既に実施ししていますが、その平均点が極めて低いことを見てもそのことが実感できます。

大学入試制度の改革は、小中高の勉強内容の改革を促しているのです。目指す方向が変わったのであれば、人々の歩く方向が変わるのは自然なことです。

生産年齢人口の急減、労働生産性の低さ、グローバル化、インターネットと人工知能(AI)技能の急速な実用化の中で、日本は私たちが思っている以上に、大変な状況を迎えつつあります。これまでの教育のままでは、世界に生き残っていくことはできない。教育の目指す方向性を大きくかじを切って変えていかねばならないとの危機感が生まれているのです。

大学入試に臨むまでにはまだ時間があるように見えます。

これまでは答えのある問題を、教わった知識を上手に使って素早く解答すれば良かったのですが、これからの勉強では、答えのない問題に対してあなたはどう考え対応するのか、又それと同時にあなたがそう考える理由を述べることを要求されます。

それに合わせた指導要領と教科書の改訂がなされ、小学校では来年度より、又中学校では再来年度より移行措置が始まります。

新しい入試制度においてもマークシート方式はなくなりませんが、実用英語検定においてもうすでに、マークシートと併せて記述式の解答が始まっております。もう始まっていると云う事をお知らせしておきたいと思います。

11月1日

この稿続く